ニキビの原因と種類
ニキビのできる要因は、毛穴がふさがれて、皮脂がたまり、アクネ桿菌(かんきん)が増殖して炎症を起こすことです。初期の段階をコメド(頂点が白いものを白ニキビ、毛穴にメラニンが増えて黒く見えるものを黒ニキビ)とよびます。これは毛穴の入り口の角化異常による皮膚(表皮、角質)の肥厚―毛穴のつまり―の状態です。それに元々皮膚の常在菌であるアクネ桿菌などが増えてくると、赤く腫れて炎症性のニキビになります。
最近マスコミで大人のニキビという言葉が頻繁に聞かれるようですが基本的にニキビができるメカニズムは10代のニキビと何ら変わりありません。ただ、悪化をもたらす皮脂の分泌の活性化が、思春期は生理的に男性ホルモンが増加する要素が強いのに対して、大人では心身のストレスが主に関係すると考えられています。20代以降の方は頬から顎にかけてのUゾーンにできることが多いのですが、なぜそこにできるか、ヒゲのエリアだからホルモン性ではないかなどの推測もありますが、医学的な根拠は明らかにされていません。試験前に悪化するという疫学的論文もあり、精神的ストレスや睡眠・栄養が何らかの形で関与することは明らかですが、詳細はまだまだ不明です。一方、ストレスや紫外線、タバコは皮膚内の活性酸素を増やしますが、その活性酸素がニキビの悪化要因であることもわかっています。外用ビタミンCローションが効果的であるとずっと以前から皮膚科で処方されてきていましたが、おそらくこの活性酸素を取り除く抗酸化作用が大きいのではないかと考えられます。しつこいニキビの場合には、婦人科的な病気やホルモン異常など基礎疾患がある場合もあるため、下手に自己治療や化粧品類に頼らず皮膚科専門医にみせましょう。
ニキビの治療
昨年まで日本では世界各国で標準治療薬であるビタミンA酸(トレチノイン、アダパレン)の外用薬が認可されておらず、ニキビ治療の後進国と日本人皮膚科医として大変残念でした。開院以来自由診療でトレチノイン外用を処方してきましたが、昨年10月にやっと日本でもアダパレンが保険で使用することが可能になりました。これで世界の標準治療にやっと一歩近づいたわけです。軽度のニキビであれば慢性的でも保険外用剤だけで維持できる可能性が高くなりました。
その一方で、炎症の強いタイプ、慢性的な結果赤い痕が残った場合、凹んだ痕(瘢痕)がある場合には残念ながら保険治療だけではカバーは難しいのです。抗生物質内服は新しい炎症性のニキビを抑えますが、長期服薬による耐性菌の問題が最近(ようやっと)クローズアップされてきました。したがって、今後はより適切な抗生剤内服が推奨されてくるでしょう。いずれにしても赤いポツポツがひいたあとの赤い痕には抗生剤内服は無効です。近年ケミカルピーリングは保険は効かないですが日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドラインでも効果が高い治療と認知されています。また、長引く赤みや瘢痕には様々なレーザー・光治療の学術報告が出てきており高い効果が期待できます。ビタミンC導入の方法も従来からのイオントフォレーシスより大量に導入できるエレクトロポーレーションなどの技術が発展してきており以前よりより短期間で治療が可能になってきています。
ニキビ治療の最大のGOALは、炎症後の瘢痕(ニキビ跡)を防ぐことです。くぼんだニキビ跡は治すのが非常に大変です。10代であってもひどい場合は早めの治療をおすすめいたします。
治療方法の例
光治療(スーパーフォト)
スターラックスという最新鋭のフォトフェイシャルタイプの照射です。
スターラックスの効果
- 炎症で開いた血管に選択的に作用して血管を縮める T 赤みが消えていく。
- 内因性ポルフィリンに反応して、発生した一重項酸素(活性酸素の一種)がアクネ桿菌などの細菌や皮脂腺の細胞の細胞死をおこさせる。
- 皮脂腺を熱反応によりこわしていく。
ニキビ後の赤みには最適です。
下記の臨床研究データのように、白ニキビや、赤い炎症のあるニキビの数を減少させることがわかっています。
毛穴の開きや皮脂が気になる方にもおすすめです。
丘疹・膿疱の改善

ニキビ痕 (赤み)の改善

コメド(青)と赤いニキビ(赤)の数の減少

(2005年 米国レーザー医学会総会で発表された院長の講演スライドより)
ケミカルピーリング
角質がはがれやすくなり、表皮という皮膚の表面の細胞のターンオーバーを改善するため、毛穴のつまりがよくなります。また、ニキビ菌の殺菌作用があり、炎症(赤み)に対する効果も知られています。
ニキビ後の茶色いしみを薄くし、肌色が明るくなる効果があります。
Nd:YAG(ヤグ)・CO2(炭酸ガス)レーザー
繰り返し照射することにより、真皮のコラーゲンを増加させ、くぼんだニキビ跡や毛穴を少しずつ改善していきます。ケミカルピーリング施行後に行うことでより強い効果が期待できます。
そのほか、ビタミンC外用、ビタミンC導入(超音波・イオン導入、エレクトロポーレーション)、スピロノラクトンの内服など、一人ひとりの症状やご希望にあわせて組み合わせていきます。
場合によってはホルモンや重金属蓄積などの検査を施行します。
ニキビの予防 (体質改善的に)
ニキビになりやすい方は、もともと体質的に皮脂腺が発達している、あるいは皮脂腺の数が多い可能性があり、いったんニキビを治しても、またちょっとしたストレスや睡眠不足などからどうしてもニキビが再発しやすいと考えられます。
10代の頃にもあった方、しつこく背中にできる方はとくに体質的な要素が大きく再発は要注意です。
治療によってニキビがよくなったあとも、予防につとめましょう。
ニキビ用の化粧品を使う
皮膚科医として次の二つの機能を持つ化粧品はニキビ用に効果的と考えます。
1.ビタミンC(誘導体)入りのもの
化粧品というよりは外用薬に近いニュアンスです。多くの皮膚科専門医が効果を認めています。抗酸化作用により活性酸素を除去し炎症を抑えて赤みを改善します。また、皮脂抑制、毛穴のひきしめ、コラーゲンの合成も明らかにされています。メラニンを還元する・メラニンの合成を抑制する美白効果によりニキビあとのシミをなくしていきます。
正確にはビタミンC誘導体といって、皮膚に浸透して生体内で始めてビタミンCとして作用するものです。その製剤は大きく分けて
- VCPNa、VCPMg
VCローションの草分け。親水性のため皮膚を通過しにくい。 - VCIP
親油性のため、皮膚への浸透がいいがややビタミンCとして働きにくい。クリームとして配合されることが多い。 - APPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)
親水性、親油性両方の性質をもつ誘導体。最近出てきたもので、従来の親水性のものよりはるかに皮膚浸透性が高く、結果として皮膚の中でビタミンCとしての働きが高い。活性酸素除去、コラーゲンの生成などはるかに高い。
VCローションは、まれに刺激がありつっぱり感や赤みが出る方がいらっしゃいます。その場合はローションタイプよりクリームタイプが適しています。
2.ケミカルピーリング作用のあるもの
ホームピーリングという概念で、効果が実証されているケミカルピーリングをご自宅で弱い濃度のもので行うというものです。
1回の効果はクリニックの施術ほどではありませんが,濃度が低いのでトラブルも少なく、毎日こつこつ続けることで肌のくすみもとれキメが整う効果も期待できます。
ちなみに、一般市場で販売されているプロアクティブはこのジャンルの代表ですが、日本人の肌は刺激が強く使用後のトラブルで皮膚科受診することも多いです。海外製のピーリング化粧品は注意が必要です。
ディフェリンの継続的な塗布
最近microcomedo(微少面ぽう)といって、肉眼では何もないけれども顕微鏡的にはすでに角化異常というニキビの初期のイベントが始まっている現象が知られてきました。この段階でおさえれば目に見えるニキビがでなくてすむというわけです。そのために、一見何もなくなっても、しばらくの期間は外用が推奨されます。
レーザー・光治療やケミカルピーリング、ビタミンC導入の継続
悪化時の治療としてはもちろん効果的ですが、いったん症状が落ち着いた後に、維持療法としてもお勧めします。
とくに光治療(IPL)は、施術後しばらくは化粧のりがいいとか、皮脂が出にくくなった、1回やるとしばらくはでにくいという声を頂いています。きめを細かくしたい、毛穴を目立たせたくない、しみの予防になど美肌対策もお考えの方には最適です。
抗アンドロゲン療法
アンドロゲン(男性ホルモン)による皮脂の分泌や皮脂腺の発達を抑えます。スピロノラクトンという内服薬を使用します。アンドロゲンが代謝されて皮脂腺の細胞のアンドロゲン受容体に結合するのを妨げることによって、ニキビを改善します。とくにアゴに集中してできる方、生理前悪化がみられる方に効果的で、早い方は1ヶ月程度で効果が現れますが、効果が出るまで2−3ヶ月かかる場合もあるため、重症度の高い方は初期のみ光治療やピーリングの併用が推奨されます。
初期は内服量が多いため、不正出血や生理不順の副作用がみられることもありますが、一般的に大きな副作用はありません。この薬は日本では利尿作用による弱い高血圧の薬としてずいぶん以前から保険適応がある薬で、長期にわたって飲んでも抗生物質に比較して大きな副作用は少ないです。低血圧気味の方でもまず通常血圧の低下はありませんが、電解質バランスを変えて作用するため、時々念のために電解質の血液検査は必要です。また、理論上は男性胎児が女性化する可能性があり、内服中の避妊が必要です。 男性の方は女性化乳房の可能性があります。
ビタミンA内服
重症のニキビの方に推奨されます。
赤く腫れるニキビやしこりがある方、抗生剤を飲んでも反応しにくい方には勧められますが、催奇性(奇形児が生まれるリスク)があるため、避妊を徹底して頂く必要があります。
漢方薬内服
エビデンスは弱いですが、人によっては症状の軽快がみられます。保険適応がありますが、内服を中止すると症状がもどる方が多いようです。
代替(補助)療法
まだ皮膚科としてのエビデンスはこれからですが、通常の皮膚科治療には限界を感じたり抵抗ある方に。
1.メディカルエステ
こう現代人は毎日非常に強いストレスにさらされることが多く、ストレスで悪化することは明らかにされています。
エステのリラクゼーション効果でストレスから解放されニキビの改善を促します。医療機関ならではの機器によるビタミンCの導入も併用できます。
2.アロマテラピー
(準備中)
3.サプリメント療法
慌ただしい日常で十分なバランスのとれていない食事に対する栄養療法として積極的に補完します。まず血液検査、基礎作りのためのマルチビタミン・ミネラルの内服からスタートします
- プラセンタ注射・内服
- 抗酸化療法
- 高濃度ビタミンC 点滴、水素水など
| 治療内容 | 価格 |
|---|---|
| 光治療 顔全体 | 31500円(初回トライアル21000円) |
| ケミカルピーリング | 15750円 |
| YAGレーザー | 5250円〜 |

